由緒 | 箱根神社は、古来関東総鎮守箱根大権現と尊崇されてきた名社で、交通安全・心願成就・開運厄除に御神徳の高い運開きの神様として信仰されています。当社は、人皇第五代孝昭天皇の御代(2400有余年前)、聖占上人が箱根山の駒ケ岳より、同主峰の神山を神体山としてお祀りされて以来、関東における山岳信仰の一大霊場となりました。奈良朝の初期(天平寅子元年、756)、萬巻上人は、ご神託により現在の地に里宮を建て、箱根三所権現と称え奉り、仏教、とりわけ修験道と習合しました。平安朝初期、箱根路が開通しますと、往来の旅人は当社に道中安全を祈りました。鎌倉期、源頼朝は深く当社を信仰し、ニ所詣(当社と伊豆山権現参詣)の風儀を生み、執権北条氏や戦国武将の徳川家康等、武家による崇敬の篤いお社として栄えました。近世、官道としての箱根道が整備され、箱根宿や関所が設けられますと、東西交通の要(交通安全祈願所)として当神社の崇敬は益々盛んになり、庶民信仰の聖地へと変貌しました。こうして天下の険箱根山を駕籠で往来する時代から、やがて自動車に変る近代日本へと移行しますが、その明治の初年には、神仏分離により関東総鎮守箱根権現は、箱根神社と改称されました。爾来、明治6年、明治天皇・昭憲皇太后両陛下の御参拝をはじめ、大正・昭和の現代に至るまで、各皇族方の御参拝は相次いで行われました。最近では、昭和55年、昭和天皇・皇太后両陛下の御親拝に続いて、翌56年、皇太子浩宮殿下も御参拝になりました。また、民間でも吉田茂元首相はじめ政財界人の参拝や年間2000万人を越える内外の観光客を迎えて、御社頭は増々殷賑を加えているのも、箱根大神の御神威によるものであります。 |
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